このように目立った症状がないまま静かに進行していく歯周病は、別名「サイレントディジーズ(静かなる病気)」
「サイレント<キラー(静かな殺し屋)」
と呼ばれる恐ろしい病気です。
歯周病は症状なく進行していく怖い病気です
そもそも歯周病っどんな病気?
歯垢がたまった状態を放置すると、歯ぐきに炎症が起き、2〜3mmのすき間ができます。
歯ぐきの炎症がひどくなり菌がすきまから歯肉に侵入。
骨や周りの組織も破壊されはじめます。
炎症がさらに拡大し、骨も半分近くまで破壊が進み、歯がぐらつきはじめます。
歯槽骨が半分以上破壊され、歯はぐらぐらになります。
ここまでくると抜歯になる可能性があります。
こんな方は歯周病にかかってるかも?
ご自身で歯周病のチェックをしてみてください?
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
- ブラッシング時に出血する。
- 口臭が気になる。
- 歯肉がむずがゆい、痛い。
- 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
- かたい物が噛みにくい。
- 歯が長くなったような気がする。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
※3つあてはまる まだ歯肉炎レベルか、軽度の歯周病です。
※6つあてはまる 中等度の歯周病が進行している可能性があります。
※全てあてはまる歯周病の症状がかなり進んでいます。
当院では精密な検査を行っています。
歯周病かどうかを正確に診断するため、当院では歯周ポケットを「6点法」と呼ばれる方法でチェックすることから始めます。
歯周病の進行具合を調査。チクチクとした軽い痛みがありますが、強い痛みではありません。
1点法・4点法と呼ばれる検査法もありますが、精密な歯周病検査・治療を行うためには、6点法がもっとも有効です。
治療方法について
初期の場合
- 歯周ポケット内に溜まった汚れを、「スケーリング・ルートプレーニング」と呼ばれる方法にて除去していきます。スケーリングとは、歯の表面に付着した歯石を除去すること。ルートプレーニングとは、歯周ポケット内の細菌により汚染されたセメント質や象牙質をスケーラーと呼ばれる器具で除去し、歯周炎の原因を取り除く治療方法です。
※歯科衛生士によるブラッシング指導や生活習慣指導を併せて行うことで、当院に通院されているほとんどの患者様の歯周病は改善しております。
治療方法について
中度以上の場合
- 中度以上に進行した歯周病は、「フラップオペレーション」と呼ばれる外科的治療が必要になります。フラップオペレーションとは歯肉を切開し、スケーリング、ルートプレーニングでは取り除けなかった歯根の奥底に詰まった歯石を肉眼で確認しながら綺麗に取り除く方法です。
麻酔を使用したなるべく痛くない歯周病の治療の実践をしていますので、ご安心ください。
治療方法について
重度の場合の最新治療
- 歯周病組織再生療法(GTR法)
GTR法は、「メンブレン」と呼ばれる素材を設置することで、失われた歯周組織を再生させる治療方法です。
フラップオペレーションにてプラークや歯石を除去すると、歯周ポケット自体は健康な状態になりますが、歯を支える組織はそのままです。
そのため、GTR法にて歯を支える構造をできる限り元の状態に戻すことで、より健康に近い状態を取り戻すことができます。 - エムドゲイン法
炎症が歯肉の奥にまで進行してしまい、歯周組織の破壊がひどい場合に行うものが、歯周組織を回復させる「エムドゲイン法」。
歯肉を剥がして歯根表面を丁寧に清掃した後、エムドゲインゲルと呼ばれるタンパク質を塗布することで、歯周組織を回復させます。
その他、骨がなくなった場所に人工骨を補填する治療もエムドゲイン法と併せて行うことが可能です。
メインテナンスについて
再発予防
- 歯周病は主に口腔内の細菌が原因のため、この細菌を生涯除去し続けることが重要です。
また歯周病は非常に再発しやすい疾患のため、毎日の歯磨きをはじめとした自己管理はもちろんのこと、定期的に歯科医院にてチェックやクリーニングを受けることで、健康な状態を維持することができます。